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第5戦スペインGP(ハラマ)

  プラクティスはスペンサーが1分29秒87でポール、以下ロバーツ、ハスラム、(マモラ?)、ウンチーニ、片山、Roche、フォンタン、ルッキネリ、ローソン。
 従来、K1は旧型サスペンションのOW70-B-301だったが、このレースからK1に新型サスペンションのマシンが割り当てられた。このマシンは第3戦時で登場した新型サスペンションのマシンとはっきりとした差異は認められない。再び17インチ前ホイールが試みられたがレースでは使用されなかった。ロバーツはレースでK2を使用した。下右のE1は、フレーム内燃料タンク、シートレール孔有の旧型サスペンションのマシンである。
 

  レースでハスラムがリードを奪うが、スペンサーが3周目に首位に立つ。ロバーツはスタートに失敗するが、5周目にはハスラムを交わし2位に浮上、そして9周目にスペンサーを交わし首位に立つ。ロバーツ2〜3秒のリードを奪うが18周目にはスペンサーがぴったりロバーツに付く。20周目にはスペンサーがロバーツを抜くが、すぐロバーツが抜き返す。スペンサーはロバーツの後ろにぴったり付け、33周目にスペンサーがリードを奪い、
  そのまま最終ラップに入る直線にかかる。2人は直線で周回遅れのJack Middleburg(RS500)、ペランディーニを抜くが、Middelburgはブレーキを遅らせて第1コーナーでロバーツを抜き、その間にスペンサーがリードを奪い、そのまま優勝、ロバーツが2位、以下、片山、マモラ、ウンチーニ、ローソン、フォンタン。
  K1  レース中のK2   E1

第6戦 オーストリアGP(ザルツブルク) 

 プラクティスはロバーツが1分17秒89でポール、1秒04遅れスペンサー、以下ローソン、マモラ、片山、フォンタン、ハスラム、ルッキネリ、ウンチーニ。レースでロバーツはK2を、ローソンはE1を使用した。
 
 レースはいつものようにホンダ勢が好スタートを切り、スズキ勢が続き、ヤマハの2人はスタートで遅れる。2周目の終わりでマモラがリードを奪い、

片山、ハスラム、ルッキネリ、ウンチーニ、スペンサー。3周目のピット裏ストレートでロバーツがローソン、ウンチーニ、さらにルッキネリ、スペンサーを抜き、次の周には首位に立つ。2位マモラ、3位スペンサー。ローソンも追い上げ6周には4位に上がる。6位のハスラムは8周目にエンジントラブルでリタイア、そしてスペンサーのNS500のクランクも12周終わりのストレートで破損しリタイア。ローソンも14周目にマモラを抜き2位に、そしてそのままロバーツ、ローソン、マモラ、片山、ウンチーニ、フォンタンの順でゴール。最速ラップはマモラ(1分18秒11)。

レース中のK2 K1 レース中のE1

第7戦ユーゴスラビアGP(リエカ)

 プラクティスはスペンサーが1分32秒27でポール、以下ロバーツ、マモラ、ローソン、ハスラム、片山、Roche、ウンチーニ、ルッキネリで、フォンタンは14位。
 旧型サスペンションの改良型フレームが登場し、K2に割り当てられた。
フレーム番号は"OW70 B 302"。新型フレームに古い番号の302がそのまま打刻され、従来の"302"はお蔵入りしたのである。新302の排気管、燃料タンク、前フォーク周り等は歴戦のマシンのようなので、フレームのみ現地に送られ、組み上げたもので、これがフレーム番号を変えなかった理由と思われる(カルネ等の問題を生じさせないため)。このフレームは次の特徴がある。
 ・フレーム内燃料タンクではない。
 ・シートレール孔はない。
 ・点火コイル2個がバックボーン部横に取り付けられている。
 ・スイングアームピボット上部に補強がある(新型サスペンション車よりはかなり小さい)。
 ・スイングアームピボット部がカートリッジ様であり補強が入っている。


 プラクティス中K1、K2でまったく同じタイヤ・ホイールを交互に使用、K1(新型サスペンション)の可能性を探ったが、レースではK2が使用された。
 ローソンのE1も新型になったようだ。
 また、ロバーツ、ローソンとも前ブレーキキャリパー冷却ダクトをレースで使用した。

   レースで、ロバーツはスタートを失敗、他車が第1コーナーに消えた頃にやっとスタート、20秒のハンデを背負う。トップグループはスペンサー、マモラ、ローソンで4位にジョバンニ・ペレティエ(RS500)。6周目にペレティエは片山、ルッキネリ、フォンタンに抜かれ7位に落ち、ロバーツは11位。
 9周目にロバーツは4位に浮上、しかし、スペンサーとの差は27秒もの差があった。誰もがローソンが3位の座をロバーツに譲るものと思ったが、ペースダウンの具体的な指示は出されず、そのままスペンサー、マモラ、ローソン、ロバーツの順でゴール。片山5位、フォンタン6位。最速ラップはロバーツ(1分33秒36)。
      K2
汚れた排気管、フェアリング。前
ブレーキキャリパー冷却ダクトを装着している。
        K1
前ブレーキキャリパー冷却ダクトを装着している。
E1

第8戦オランダGP(アッセン)

 ロバーツが2分48秒52でポール、以下スペンサー、片山、マモラ、ウンチーニ、フォンタン、ローソン。17インチ前ホイール(ダイマグ製)が再登場、K1、K2でテストが行われ、レースでもK2に装着され初使用された

 レースではスペンサー、マモラが好スタート、ロバーツは遅れるが1周目の中間では9位に浮上、片山も2位に。2周目、ウンチーニが転倒、起き上がって走り出したウンチーニにガードナー(RS500)がぶつかる。2周目にロバーツがRocheを抜き4位に、5周目にはマモラを抜き3位、6周目には
2位に浮上。このころにはローソンも5位に浮上。ロバーツは6周目に、すでにタイヤトラブルを起こしているスペンサーに迫り、7周目に首位に立つ。スペンサーは片山にも抜かれ3位に落ち、一時はマモラにも抜かれる。最終ラップに入る時、ロバーツは片山に充分なリードを保っていたが、片山が背後に迫っていることに気が付かなかった。そしてロバーツが最終コーナーからウイリーでゴールした横を、片山が0秒19差で駆け抜けた。以下スペンサー、マモラ、ローソン、Middelburg、フォンタン。最速ラップはロバーツ(2分47秒47)。
プラクティス中のK2 K1 プラクティス中のE1

第9戦ベルギーGP(スパ・フランコルシャン)

 プラクティスはスペンサーが2分32秒70でポール、以下ロバーツ、マモラ、ローソン、片山と続き、フォンタンは10位。
  プラク
ティスで、K1、K2に17インチ前ホイールが使用され、レースでもK1に装着された。ロバーツが新型サスペンションのマシンをレースで使用したのはこれが最初で最後である。ローソンも新型サスペンションのE2(前ブレーキキャリバー冷却ダクト装着)を使用した。

  
レースでホンダ勢、ヤマハ勢、マモラが揃って好スタートするが、スペンサーが少しずつリードを広げマモラ、ロバーツ、ルッキネリ、片山、ハス

ラムと続く。2周目に片山が4位に上がり、3周目にはやや遅れていたローソン、フォンタンが7位、8位に上がり、7周目にはローソンが、ルッキネリ、ハスラムを抜き5位に浮上。10周目頃、スペンサーがペースダウン、14周目にはロバーツがスペンサーに迫る。ヘアピンでロバーツがスペンサーを抜き、内側のラインで加速するとスペンサーの前で後輪が激しくスライド、スペンサーが一瞬引き、ロバーツがさらにリード。ロバーツはペースを上げ、17周目にはこのレースの最速ラップ2分32秒42を記録、リードを13秒9に広げ20周のレースを終えた。以下スペンサー、マモラ、片山、ローソン、フォンタン、ルッキネリ、ハスラム。  
K1 K2
第10戦イギリスGP(シルバーストーン)
 プラクティスはロバーツが1分28秒00でポール、1秒38遅れてスペンサー、以下マモラ、ローソン、フォンタン、ハスラム、片山と続き、Rob McElnea(スズキXR40)12位、ルッキネリ16位。すでにシーズン中盤にはロバーツがシーズン後に引退することが噂されていたが、このイギリスGPの時にはそれが明らかになった。

 このレースからK2のスイングアーム右下が補強された。プラクティス中、このマシンにローソンを乗せたこともある。
K1のスイングアーム形状がベルギーの時とは異なるタイプになった。レースではK2(プラクティスでのゼッケンは4T、レースでのゼッケンは4)が使用された。E1(旧型サスペンション)もほぼK2と同仕様だが、スイングアームピボット上部及びスイングアーム右下の補強の形状が若干異なる。E1、E2(ゼッケン27T)ともブレーキキャリパー冷却ダクトを装着している。
 
 レースでハスラムが好スタートを切るが、すぐマモラに抜かれ、ロバーツは3位に付ける。3周目にはロバーツが首位に立ちマモラ、スペンサーが続く。ロバーツがリードを広げスペンサー、マモラが2位争い、ローソン、フォンタンが続く。5周目にペースダウンしたNorman Brown(市販RGB500)にPeter Huber(市販RGB500)が追突、2人ともコースに放り出され死亡。赤旗は出されずレースは続けられたが、ライダー達はペースダウン、
自主的にピットインする者も現れ、結局、赤旗中断。1ヒートの5周と2ヒートの23周の合計タイムで争われることになった。
 第2ヒート、スペンサーが好スタートを切るが、1周目の終わりにはロバーツが首位に立ちリードを広げ出す。その後ろでスペンサー、マモラ、ローソンが2位争いを繰り広げる。ロバーツがそのままゴール、ローソン、マモラ、スペンサーの順でゴールするが、1ヒートとの合計タイムではスペンサー2位、マモラ3位、ローソン4位。以下、フォンタン、片山、ハスラム。
レース中のK2 K1 E1

第11戦スエーデンGP(アンダーストープ)

 スペンサーが1分37秒00でポール、1秒81遅れロバーツ、以下、片山、マモラ、フォンタンと続きハスラム7位、ルッキネリ8位、ローソン9位。
 レースではK2が使用された。
  
 
スペンサーが好スタートするが、1周の終わりではロバーツ(下左はレース中のK2)が2位に付ける。7周にはロバーツが首位に立つ。3位には片山が上がり、フォンタンと3位争いを繰り広げる。ローソンはスタートを失敗するが、ハスラム、ルッキネリに迫る。30周のレースの中盤、スペンサーがロバーツに迫り、21周目には真後ろに付ける。はるか後方では片山がフォンタンと3位争い。ローソンはハスラムを抜きルッキネリと5位争い。

首位争いはそのまま最終ラップに持ち越された。バックストレートの後、ゴールまでは90度カーブ2つだけだが、バックストレートの終わりでスペンサーがブレーキを遅らせロバーツの内側に飛び込んだ。スペンサーはブレーキが間に合わずロバーツを巻き添えにしてダートに飛び出した。そしていち早くコースに戻ったスペンサーが優勝、2位ロバーツとなった。以下、片山、フォンタン、ローソン、ルッキネリ、マモラ、Roche、ハスラム。最速ラップはロバーツ1分37秒11。この結果、スペンサーが5点差でロバーツをリードすることになり、最終戦、ロバーツが優勝してもスペンサーは2位になれば2点差でチャンピオン、スペンサーが3位なら2人は同点で優勝回数も同じ、2位の回数の差でロバーツがチャンピオンという形勢である。メーカー選手権は、ホンダが146点でヤマハを7点リードしており、圧倒的に有利だった。
第12戦(最終戦)サンマリノGP(イモラ)

 
プラクティスはロバーツが1分53秒49でポール、以下スペンサー、ルッキネリ、マモラ、ローソン、フォンタン、ハスラム、Roche。
 カルロス・ラバードをOW70に乗せることになったが、プラクティスで転倒しレースは欠場した。このマシンはシートレール孔があり、スイングアームピボット上部補強のない初期型である。レースで、ロバーツはK2を、ローソンはE1(前ブレーキキャリパー冷却ダクトを装着)を使用した。

  レースは最初の2周はルッキネリが首位のスペンサーにぴったり付けるが、すぐに後退。ロバーツは4周目に3位に上がり、4周後には首位に立つ。ロバーツにとって重要なのはこのレースに優勝することだけではなく、この時点で4位のローソンを2位に引き上げることだった。ローソンは17
周目にルッキネリを抜き3位に上がるが、スペンサーとの差は5秒、そしてその差は縮まらない。そしてそのままロバーツが彼にとって最後のGPを優勝で飾ったが、スペンサーが2位入賞し初の500ccタイトルを手中にした。以下ローソン、ルッキネリ、マモラ、フォンタン、Roche。最速ラップはロバーツ(1分53秒36)。  
プラクティス中のK2 K1 ラバードがプラクティスで乗ったマシン E1

  ロバーツとOW70はロバーツの最後のGPシーズンで世界選手権を獲得することはできなかった。しかし、他の多くの偉大なライダーの最後のシーズンが、1983年のような感動を与えたことはなかっただろう。そして、OW70は多くの世界チャンピオンマシンにもまして、歴史に名を残す、感動と感傷と共に語られるマシンとなったのである。

ランキング

SA F I A E Atr Y N B GB S SM Total
Spencer 15 15 15 8 15 - 15 10 12 12 15 12 144
15 30 45 53 68 68 83 93 105 117 132 144
Roberts 12 8 - 15 12 15 8 15 15 15 12 15 142
12 20 20 35 47 62 70 85 100 115 127 142
Mamola 6 - 12 3 8 10 12 8 10 10 4 6 89
Lawson 3 - 10 2 5 12 10 6 6 8 6 10 78
Katayama - - 6 12 10 8 6 12 8 5 10 - 77
Fontan 8 5 4 5 4 5 5 4 5 6 8 5 64
Lucchinelli 2 12 1 10 - 4 2 - 4 - 5 8 48
Haslam 10 10 - - - - - - 3 4 2 2 31
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